空を翔る一筋の光。
俺はそれをただ眺めていた。
つもりだった。
だが、きっと無意識に願っていたと思う。
……力が、欲しいと。
倦怠感に襲われながら体を起こす。
体中が痛かった。
その痛みを感じるたびに心の底からグツグツとしたものが沸き起こった。
その痛みを与えられるたびに俺はずっと思っていた。
何で、俺ばっかり……
と、再び空に光が流れた。
俺はまたそれを眺めていた。
1秒、2秒……。
長く……ないか?
そして、大きくなってないか?
いや、近づいてる?
何かこっち向かってきてるよ、ねぇ?
ひとまず……
痛みをこらえながら全力で走り出した。
それほどまでにその光は驚異的で……
というよりも、当たったら……死ぬ!
――――ッ!
「……え?」
声が聞こえた。
――けてッ!
今度はもっとハッキリと。
振り向くと光は既に目前で……
助けてッ!
その声が聞こえると同時、俺は光に包まれていた。
「うぅん……」
気がついた時、俺は眼前に広がる海を見た。
え、アレ、俺いた場所山じゃなかったっけ?
そんな事が頭をよぎる。
「えぇと……あれ?」
それによく見れば空が明るい……。
どれだけ寝てたんだ……。
うぅむ、どうも記憶が曖昧だ……。
「俺の名前は……藤堂 要。うん、これは覚えてる」
「カナメ?」
「おぅ……。て誰だ?」
周りを見回すが、誰もいない。
あぁ、聴覚がいかれたかな。
いや、それとも夢か?
ッ! 夢って事はなさそうだな。
体中まだ痛い……。
それじゃぁ、やっぱり聴覚がいかれたんだな……。
「カナメぇ……?」
ん? 足に何か触って……
紫色のボールみたいなものが俺の脚に触れていた。
「まりも……?」
「違うよぉ、オイラはドリモンだよぉ」
喋った?!
え、えぇと……何これ……。
夢? 夢なのかな……。
いや、夢の線はさっき消えたはず……。
ならこれは?
思考が変な方向に進みかけた時、俺は一つの結論へと達した。
これは全て幻だ、と。
そして、幻なら開き直ろう、と。
ブブブ…
遠くから何か聞こえた。
虫の羽音?
ブブブブブブ……
にしてはデカすぎやしませんか?
と、後ろから大きな音と共に何かが飛んできた。
それが頭上すれすれを飛んでいった時、それは見えた。
「く、く、く、クワガーモンだ!!」
ドリモンがそう叫んでいる。
大分慌てた様子で……。
えぇと、これは何かな?
幻ですよね? それにしちゃリアリティ高くないですか?
クワガーモン 成熟期 Vi種。
とどこからか声が聞こえた。
ポケットの中から……かな?
と、そこには何か機械的なものがあった。
「ん? 何これ」
Dモバイル
そしてまたこの声。
親切だなぁ。
ブゥゥン――
「じゃなかった!」
逃げないと……。
逃げ……。
「逃げられるわけが、ない……」
「え?」
そうだ、昔だって逃げてた。
だけど、最後には追いつかれて……。
「戦うの?」
「え?」
「逃げないんだったら、戦うしかないでしょ?」
戦う……?
そんなの考えた事もなかったな。
自分よりも大きな力に敵うはずがないから……
「オッケー、それじゃぁ、オイラに指示を、カナメ!」
「え? え? え?」
何か変な事になってきちゃってる……。
でも……。
何だろう、この感じは……。
目の前に立つこの小さな存在に俺は……。
「まずは、羽だ……」
「オッケー」
こんな小さな存在だったのに、俺は。
決意を決めさせられた。
ドリモン進化――
「メタルキャノン!」
ドルモン 成長期 Da種
「進化……?」
「そう、オイラ達デジモンは進化によって強くなる」
それはもうまりもとは言えなかった。
「まりもが進化すると犬になるのか……」
「はい?」
「あ、いや何でもな…い!?」
さっきの巨大クワガタがまだ襲いかかってきていた。
攻撃は見事にはずれていたらしい。
だが、さっきの突撃を反らすぐらいには役に立ったようだが。
「ドルモン、上にさっきの鉄球」
「え? う、うん。メタルキャノン!」
要求通り真上にドルモンは鉄球を撃ってくれた。
それは予想通りに俺たちの真上から落ちてくるが、当然のごとく俺たちは移動してある。
鉄球は誰もいない砂浜の上に落ちた。
「っと、逃げるぞ、ドルモン!」
「えぇぇえええええ!?」
そう言って二人で一緒に背を向けて走り出す。
けれども、空を飛んでるクワガーモンの速度には到底敵わない。
が、追いつかれるタイミングでちゃんとしゃがみこんで回避する。
「うし、やるか」
「はぁぁ?」
何やらドルモンは奇怪そうな反応をしているが、そんなのに構っている余裕はない。
俺だってただ逃げているだけじゃないんだから。
「次、来るぞ、逃げよう」
「あぁ、もう、どうなってるのぉ」
と、文句を言いつつもしっかりついて来てくれるドルモンが今はありがたかった。
何か、いいな、こういうのって……。
自然と口端が緩んでいた。
そして、勝負はこの時。
「ドルモン、前方上、45度にさっきの鉄球!」
「え、お、オッケー! メタルキャノン!」
そして、俺たちは変わらず前に全力疾走を続ける。
上空に上がった鉄球が頂点に達して落ちてくるのが見える。
もう少し先、もう少し。
えっ?
視界が一気に揺れた。
いや、何かに躓いて転んだんだ。
そう理解するのと、背後からの脅威に気づいたのはほぼ同時だった。
やられる……ッ!
そう思った時何かが俺を突き飛ばした。
「うわぁぁぁッ!!」
進路上から聞こえた声。
ドルモン?!
見ればドルモンはクワガーモンの大顎にしがみついていた。
そして、クワガーモンは先ほどの進路をまっすぐに、予定通りの速度で駆け抜ける。
ドルモンは突然、放り出された。
それと同時にクワガーモンは地に伏した。
上空に放った鉄球が見事なタイミングで後頭部にヒットしたのだ。
「たたみ掛けろ!」
そう叫ぶのと、ドルモンが鉄球を連続でクワガーモンの背中に放つのはほぼ同時だった。
戦いは終わった。
見事にのびきったクワガーモンは最後の連撃で大顎も腕の鋏も壊れていたので放置しておいた。
どうやら、必死にやりすぎたのか俺は一種放心状態だった。
とてもこれが幻とは思えていなかった。
などと思っている余裕もなく。
「カナメぇー!」
ドルモンが凄いテンションで覆い被さってきた。
よく見れば凄く嬉しそうに尻尾を振っているし。
――やっぱり犬じゃないのか?
「凄いよ、カナメ! オイラ、カナメがあんなに頭が良いとは思わなかった!」
おいおい、何か素直に喜んでいいのか、その台詞……。
でも、まぁ、なんだろうなぁ……。
確かに、あの状況の中で俺は鉄球の落ちるまでの時間も場所も全て分かっていた気がする。
こんな事今までにあったかなぁ…・・・?
「カナメはやっぱり俺達の世界を守ってくれる救世主なんだね!」
「おい、ちょっと待て、何だ救世主って?!」
「だって、カナメは選ばれたんだよ? 凄く光栄な事じゃん」
「は? 選ばれた? 誰に? 何のために?」
「え……。世界を守るために……誰にだろう?」
……何なんだこれは。
世界を守るとかどっかのRPGか?
全然わからねぇ……。
けど……。
「あぁ、もう分かったから降りろよな。重い」
「あ、ごめん」
何か良いな、こういうのって……。
理由は分からないけど、何だかホッとする。
今まで忘れてた何かを思い出すなぁ、何か分からないけど。
ピピピ…
と、ポケットから何か音がした。
「あ、これは……Dモバイル、だっけ?」
ゲート ヲ 開キマス。
そんな文章が画面に表示されていた。
何だ? ゲート?
すると、視界に光が溢れた。
気がついた時、俺は自宅の部屋のベッドの上にいた。
今までの全部、夢?
そう思ってしまうと何だか虚しかった。
横を見れば、時計があった。
――8時05分。
「あ゛」
大急ぎで着替えて、大急ぎで学校へと走った。
8時29分
ギリギリでチャイムに間に合ったようだ。
教室に入る。
騒がしかった教室が一瞬シンとなる。
…………。
「よぉ、がり勉君?」
下品な笑い方をしながら奴―柴崎 竜太―は俺の前に来た。
「本当、お前もしつこくよく来る奴だよな」
と続くのは竜太にくっついてばかりの奴―金塚 晃平―だ。
俺はそいつらを無視して席に座る。
皆こいつらが怖い、だから、目の敵にされてる俺を避ける……。
普段とかわらな……ん?
鞄から教科書を取り出そうと空けた時、中にそれはあった。
Dモバイルが。
――幻じゃなかった?!
そう確信が持てた時、心の底から沸き起こる何かがあった。
と、そこでチャイムの音が聞こえてきた。
同時に教室に入る影があった。
俺達の担任―夢野 守―だ。
「さぁ、お前ら、明日は皆楽しみな土曜日だ。先生も楽しみだぞ」
と、教室からどっと笑いが起こる。
そんな中でも俺は一人で別の事をやっていた。
といってもただの予習だが。
先生の話も、生徒の反応も興味はなかった。
ただ……と鞄の奥にやったDモバイルが気になっていた。
謎の場所で会ったドルモン。
そして、二人で倒した巨大な怪物。
今でもあの時の不思議な感情は覚えていた。
「おぉい、藤堂、あんまり勉強ばっかやってないでたまには先生の話も聞けよ?」
「え? あ、はい」
「よし、それじゃぁ、友達も作るんだぞ? ということでホームルーム終わり」
どうやら今日はボーッとしすぎたらしい。
話の断片すら覚えてなかった。
少し周りを見渡せば携帯を取り出してお喋りしてる姿もチラホラとあった。
これなら、Dモバイルを出しても違和感はないか?
と、いうことで、取り出してみた。
「あ、メール……」
『おはよーカナメ! また今日も来てくれるよね?』
ドルモンからだった。
どうやら、本当に幻ではなかったようだ。
しかし、『来てくれる』とはどこにだろう……。
などと考えてる暇もなく、奴らはこれに目をつけてきた。
「よぉよぉ、がり勉君がそんなの持ってちゃいけないなぁ」
「親もいないくせに生意気だぞ、携帯なんて」
俺は沈黙を決め込む。
いつだってこいつらは俺が何かするたびにつっかかってくる。
本当、面倒くさいったらない。
俺は静かに立ち上がって、どこかへ行こうとした。
そしたら
「待てよ」
手首を掴まれた。
「無視するとか、生意気なんだよ!」
頬に衝撃が走る。
背中を後ろの机にぶつけた。
いてぇ……。
けど、それでも俺は無視を決め込んでいた。
「お前のその態度が気に食わないんだよ!」
また一発殴りかかってきた。
それをまた俺は受け入れてしまった。
「てめぇは気に食わねぇ、それも俺が壊してやるよ」
そういって手を伸ばしてくるのはDモバイル。
これは、ダメだ!
そう思って俺は一瞬の間に立ち上がり、教室を飛び出した。
後ろから追いかけてくる音がする。
振り返るまもなく、俺は階段を駆け下りた。
どこかに逃げ隠れないと……。
逃げる……いや。
ふと何を思ったのか別の階段から再び階を登る。
そして、教室に駆け込んだ時、急いで扉を閉めた。
後ろから追いかけてくる足音は少し遠い。
よし、と、適当にそこにあったダンボールを扉のすぐ近くに置いた。
それを壁に押す形で動きにくくしたと、同時扉を開き奴らがきた。
そして、足元のダンボールに気づかず、それに躓いて、転んだ。
教室からドッと笑いが起きた。
そこにもう一人まで転んで乗っかってくるものだから教室は大爆笑だった。
竜太は倒れながら顔を真っ赤にしていたのが見えた。
やばいかな……。
そう思ったが、それを上から見下ろすしか出来なかった。
「覚えてやがれよ!?」
そう言って、相方を跳ね除け竜太は教室を飛び出していった。
それを追うようにその相方―晃平―も教室を飛び出した。
あぁ、やっちまった……。
そう思いながら俺は席についてその後の授業を受けていた。
そして結局、その日の授業が終わってもあの二人は戻ってこなかった……。
帰り道は凄く申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
いつも殴ったりしてくる嫌な奴らだったが、あそこまで笑われたら……。
そう思うと何だか落ち着かなかった。
そのためか、俺はDモバイルを何度もスライドさせて開閉を繰り返していた。
―CALL―
「うぇ?」
そう表示されていて一瞬戸惑うが、通話してみたらドルモンだった。
『カナメぇ、Dモバイルの説明に来たよぉ』
「え? お、おぅ」
空気を読んでるかのようなタイミングの良さだな……。
『あ、ジジモン様が今なら多分カナメに直接でも大丈夫だって言ってたから』
そして、この心の声を読んでいるかのような親切さ……。
なんとなく自分が分かりやすい性格してるんじゃないかと心配になった。
『とりあえず、Dモバイルを掲げてDモバイルの横にあるボタンを押して……』
「ん? こうか?」
ゲート 開キマス
「へ?」
俺はまたあの光に包まれていた。
「うぅん、またか……」
「説明終わる前にやっちゃうんだもん」
あぁ、確かに俺に非があったが……。
だからって、ボタン一個押したら簡単にこんな風にどっか飛ぶとかどんな危険物……。
「まぁ、いいや。ようそこ、オイラ達の村に」
昨日と違って今日はジャングルの中だった。
そして、空は薄明るく……。
「やぁやぁ、お前さんがドルモンの言うとった、えぇと……カネメ君?」
「か な め だ! 藤堂 要!」
「おぉ、そうじゃったか、すまんすまん」
などと明るく笑う爺さん。
どんだけ毛があるんだとばかりに顔を覆いつくす毛があった。
と、ジジモン様物忘れ激しいんだとこっそりドルモンに耳打ちされた。
「さて、カナメ君、まずは今のこの世界について話すべきじゃろうな」
「この世界? ここ日本じゃねぇの?」
「まぁ、そう慌てるでないわい、順を追って説明いたしますじゃ」
なんか聞けば聞くほどRPGっぽくなってないか……?
まぁ、それはそうとして、今は話を聞いてみるとするか。
けど、俺RPGは話しか聞いたことないから、プレイ経験ないぞ……?
「まず、この世界はお前さんが思ってる世界とは少し違う世界じゃ」
「って、言うと?」
「ここは、お前さん達人間の作ったネットワークに築かれた世界、デジタルワールド」
異世界……とはちょっと違うのか。
ネットワーク……パソコンとかの中って事か?
「そして、今このデジタルワールドは一つの歪みによって危機に陥っておる」
「歪み、ねぇ……」
「たった一つの歪みから広がっていき、今やそれは世界を飲み込むほどにまで成長しおった……」
何かエラい壮大な話になってきたな……。
「カナメ君、お前さんにはその歪みを正して欲しいのじゃ」
「は? 何で俺が?」
「その為にお前さんは選ばれたのじゃ、戦うために」
「いや、意味が……」
「お前さんがいなければこの世界はただ破壊されるだけで何も残されぬ、お願いじゃ」
破壊……?
って、言われてもなぁ……。
別に俺には関係ないし……。
「オイラからも頼むよ、カナメ。オイラだってこれ以上大事な物失いたくないんだ……」
大事な物……。
大事な……。
ハッとして、我に返る。
今、嫌な事を思い出しかけた。
「カナメぇ……」
「あ、あぁ、分かったよ……。で、どうすれば良い」
「まずは歪みの原因、イグドラシルを戻して欲しい」
「イグド……なんだそれ?」
「この世界を司るホストコンピューターじゃ、それが今暴走して秩序を塗り替え取るんじゃ」
何かやっぱり壮大だな……。
やるって言っちまったけど、俺に出来るのか?
けど、と、ドルモンを一瞥する。
――こいつとなら一緒にやれる気がする……。
何故かそう思った。
「ただの……」
「ん?」
「イグドラシルに辿り着くにはやらねばならぬ事がある」
RPGお決まりのパシりって奴か……。
順当に課題とかイベントをクリアしないとラスボスまで辿り着けないって奴……。
やっぱり面倒くさいな……。
「まずは、東西南北の地で四聖獣に会わねばならん」
「四聖獣……っていうと、青龍・白虎・朱雀・玄武とかそういう奴?」
「正にその通り。彼らに会ってイグドラシルへの道を開いて貰わねばならんのじゃ」
「つまり、そのイグドラシルってのはどっか特別な場所にいるわけだ」
「そう、天界とも言われておる場所じゃ。そのために四聖獣の協力は不可欠じゃ」
うん、凄く王道的な展開とかそういう奴だろうな。
まぁ、順当にクリアしていこうか……。
「それじゃぁ、まずはその四聖獣に会いに行かないとか……」
「あぁ、まずは玄武シェンウーモン様に会うと良いじゃろう」
「それじゃぁ、北だな」
「いや、南じゃ」
「へ?」
あ、アレ、俺の記憶違いかなぁ……。
玄武って北じゃなかったっけ?
あ、アレ、南が朱雀で北が玄武……。
え、あれ?
「イイグドラシルの暴走の影響でシェンウーモン様とスーツェーモン様の位置が変わったのじゃ」
「なんちゅー壊れ方……」
「イグドラシル様は変わってしもうたのじゃ……」
変わった……って。
仕様変更ひどすぎやしませんか?
これは何か凄く先行き不安だ。
「そうそう、それとカナメ君」
「ん?」
「今やまともなデジモンもワシらだけと思って行動する方が良いじゃろう」
「へ?」
凄い脅し文句……。
これはどういう……。
いや、それ以前になんか凄い怖くなってきたんですけど……。
「カナメ、大丈夫だよ」
「ん、あぁ、そうだな……」
そうだ、俺にはこいつがいる……。
ドルモンとなら、きっと……。
何故かそう思える。
そう思える何かがこいつにはある。
「そうじゃな……。頼むぞ、ドルモン」
「任せてよ、ジジモン様」
「それでは、カナメ君、最後に一つ……」
「これ以上の脅し文句はごめんだぜ……?」
「まぁ、そう言うな。ただ、『聖騎士』達には気をつけるのじゃ」
聖騎士……?
何だそれは……。
聖なら味方じゃないのか?
正義とは違うのか?
訳分からなくなってきた……。
「カナメ、行こう」
「あ、あぁ!」
「それでは気をつけて、Dモバイルの使い方はメールしておきましたじゃ」
「おぅ、サンキュ」
こうして俺達の旅は始まった。
最初は玄武に会うため南へ……。
何か変な気分……
「ホゥ、来るか人間の子よ。ワシは待っておるぞ、フォッフォッ」
どこか霧の深い場所でそれは静かに呟いた。
星堕ちる迄 第壱話