あれから戻ってきたものの寝付けずに俺はベッドの上でごろごろとしていた。
そうして落ち着かなくなった俺は昨日のあの山へと自然歩いていっていた。
着いてからも特に何をするでもなくただ空を眺めているだけだが。
けれど、ここは誰も来ない。
この町に来てから見つけた俺だけの場所。

父方の祖母に引き取られてからというもの、ここに来ない日というのも珍しかった。
何かあればすぐさまここに来て、そして星を見ていたんだったなぁ……。
今でもそれは変わらないし、変えるつもりもない。

「あ、流れ星……」
二日続けて流れ星が見える日も珍しかった。
そういえば、昨日ドルモンと会う前も流れ星を見たんだよなぁ……。
今回はいったい何を願っていたんだろう……。
多分、純粋に眺めていたんだと思う。
そう思う内いてもたってもいられなくなって、ドルモンに電話していた。
どこの恋する乙女だよ、とは後で思ったが。

「もしもし、ドルモン……?」
『あぁ、カナメ、良かった。まだ起きてたんだね……。凄く、寒いんだ……』
それだけで通話が切れてしまった。
いったい何があったんだ……。
俺はすぐさまゲートを開いて、デジタルワールドへ向かっていた。
移動が終わった時、そこには白の世界があった。
てか、寒…!
夏服で来ちまったよ、まぁ、どうしようもない。
諦めるか……といって、耐えられる寒さでもねぇな。

「カナメ、こっちだよ……」
「おぉ、ドルモン、そんな所にいたのか」
歯がガチガチいっているが、まぁ、この吹雪の中じゃ仕方ない。
それにしてもこの吹雪はなんだってんだ……。
とても自然のものとは思えないが……。

「シェンウーモンもこの吹雪については何も知らないって……」
「やっぱりお前らデジモンってエスパーなのか?」
「ただ、自然に発生したものでもないらしいから、きっと何か原因が……」
見事なスルーっぷり……。
さすがの俺もやられたぜ。
じゃなくて、どうやらまた一騒動のようだ。
一難去ってまた一難とはこの事か……。

「それよりそんな格好で寒くないの?」
「寒いよ……」
という事で一回着替えに戻った。
しっかりと防寒着に着替えて、準備は完了。
これで吹雪も怖くないぜ、なんて事はなく。
寒いものは寒いのだった。
まぁ、夏服よりかは大分マシだが……。
ちなみに、一番下にはちゃんと夏服を着てある。

「しっかし、この吹雪止めないとだよな」
「だねぇ……けど、オイラ寒いの苦手」
「おいおい、犬は雪だったらはしゃぎ回って庭を駆け回るんだぞ?」
「オイラ犬じゃないもん!」
ハハハと笑いながら俺はこの状況でなお楽しんでいた。
なんか今まで悩んでいたのがアホらしくなってくる。
今が楽しければいいんじゃないか、と。
楽しむ、なんて危機的状況に陥ってるらしいこの世界に対して不謹慎かもしれないが。

「さて、それじゃぁ、とりあえず、こいつの原因でも探りますか」
「何か思いついたの?」
「とりあえずこの吹雪の中心いってみようか」
という事で吹雪の吹いてくる方へと歩いていってみる事にした。
しかし、シェンウーモン達はどこに行ったのだろうか……。
いや、ちょっと待て、そういえば……
ふと何かを思い出して立ち止まる。

「おい、ドルモン、メラモン達大丈夫か?!」
「え?」
そう気づいた時、俺は村のあった辺りまで走っていた。
ドルモンを続いている。

村に着いたらそこにはやはり寒さに震えるメラモン達の姿があった。
熱い場所で生活していたのだからこの吹雪はさぞきついと思う。

「おい、メラモン大丈夫か?!」
「ん? あぁ、俺は大丈夫だ、何せ体が炎だからな」
と強がってはいるがメラモンも明らかに震えていた。
それでも他のデジモン達が寒くないようにと自らの体で温めたりしているようだった。
第一印象こそひどいものだったが、こうして見ると良い奴だと思えた。
ならば……。

「メラモン、村の皆を一箇所に集めてなるべく皆で熱を共有しておいてくれ」
「お? おう、分かった。何か考えがあるんだな?」
「その間に俺達でこの吹雪の原因を見つけてくるよ」
「分かった、頑張ってくれよ?」
おう、とばかり親指を立ててドルモンと走り出す。
どうやら村の事は心配しなくても大丈夫そうだ。
とにかく今は吹雪の中心へ。

しかし、シェンウーモン達は何してるんだ……。
こんな吹雪なのに、まさかのノータッチなのか?

「カナメ、ここ、上から吹雪が……」
「え? 上から……?」
確かに上から吹雪が来ているようだった。
ここから地面にぶつかった吹雪の軌道が周りに広がっているようだ。
そして、やっぱり寒い……。

三重なのになぁ……。
そんな事を考えながらふとドルモンに目を見やる。
目がうとうととしていた……。

「ダメだ、ドルモン寝るな!」
そう言いながら俺は上着をドルモンに被せていた。
余計に寒さが増す。
が、そんな事を気にするよりも、ドルモンが心配だった。

「大丈夫……だよ。オイラは寝な……い。」
そう言いながらも凄く眠そうだった。
この寒さで脳に酸素が回らなくなっているらしい。
そのせいで眠ったら体温調節機能も働かなくなって……。

あぁ! そんな事はどうでもいいから、この状況をどうにかしないと……。
とりあえず、上着を全てドルモンに被せる。
少しでも……
寒い……
一番下が夏服なの忘れてた。

「ドルモン、起きろ! 起きるんだ!」
「…………。」
このままじゃ、俺もドルモンも……。
せっかく、メラモン達も頑張ってくれてるのに、こんなところで……。

結局、俺は何も出来ないのか?
そんなの嫌だ……!

「くそ、俺も眠く……」
いや、ダメだ、俺まで寝たら……
このままじゃ、誰も……
もう、これ以上、何かを失うのは……



――限界か……
そう言って上空のソレは左腕の弩弓を構える。
弩弓に溜め込まれる力は灼熱。
それを今、吹雪の中心へいる者へと射掛けようというその時、それは起こった。

突如起こる強い光。
それは紛れもなく吹雪の中心にいる者達が放っているものだった。

「ホゥ、我が吹雪の中でもなお立ち上がるか……。面白い」
そう言ってそれは盾だけをそこに置いて蹄の音を立てながらその場を後にする。
まるで、何かを試すかのように……。



「カナメ、大丈夫?」
「あ、あぁ、それより、また進化したんだな……」
「うん。それより、背中に乗って、飛ぶよ」
あぁ、そう言って俺はドルモンが進化した姿―ドルガモン―の背に跨る。
不思議ともう寒さは感じていなかった。
そして、上空へと到達した俺達の目の前には、赤い盾だけが存在していた。
それが何かは分からなかったが、明らかにそれが吹雪の原因だった。

「パワーメタル!!」
指示を出すまでもなくドルガモンは一回り強力になった鉄球を発射する。
鉄球が盾を弾き飛ばすと吹雪は瞬く間にとまった。
地上の方も元通りの森に戻っていて、ホッと安堵のため息を吐いた。

と、ふと盾の方に目を戻すと盾は消えていた。
アレ、あの鉄球で跡形もなくなったとは思えないんだけどな……。
むしろ、音的には全くの無傷だったようにも……。

「やったね、カナメ!」
「え、お、おぅ!」
とにかく今はこの森を吹雪から救えた事を喜ぼう。
と、少し先の方に動くでかい木が見えた。
アレは…!

ドルガモンと共に俺はその木―シェンウーモン―の下へと向かった。
一発何か言ってやらないと気がすまない。
が、何故この危険な時に見当たらなかったのか理由を聞いて、その気も抜けてしまった。

「寝てた、だあぁああ!?」
「ワシももう歳かのぅ……」
自覚症状はあるのか……。
まぁ、けど、頭二つあるくせに記憶力悪すぎだしなぁ……。
それにしても、俺はどうやらもうこいつの事を許しているようだった。

ドルガモンは大きく欠伸を繰り返していた。
しかし、シェンウーモンはあの吹雪でも死なないんだな……。
そういえば、と思ったが、盾の事をシェンウーモンに聞いても分からないだろうな……。

「シェンウーモン殿、あちらでお客がお待ちですぞ」
そう言って現れたのは羊のようなデジモンだった。
パジラモン 完全体 Vi種 必殺技ヴァフニジュヴァーラ 聖獣型
と、Dモバイルがまた解説をしてくれた。
アレ、そういえば、また情報が増えてる……?

「お初にお目に掛かります。我が名はパジラモン。既にDモバイルが紹介くださりましたが」
「あ、これはご丁寧にどうも、藤堂 要です」
何故かかしこまった挨拶になってしまった。
なんか、このパジラモン、羊だけど……。
執事っぽい!
ウケ狙いなのかな?

「どうかなさいましたか?」
「あ、いや何でもない……です」
とりあえず、俺達はこれから何をすればいいのだろうか……。
シェンウーモンも何か客が来たらしいし。

「ジャノメ君」
「カナメだって言ってるだろ、このボケ老人……」
「次はスーツェーモンの所にお行きなさい」
「え……」
「お前さんの力、ワシは認めてやろう、と言うとるんじゃよ。ほれ、これを」
そういって託されたのはシェンウーモンの木の周りに浮いていた珠だった。
木の実だと思っていたが、どうも、木の実とは違うような感じがする。
なんというか、凄く軽いのに重量感が違った。
これは……何なんだ?

「Dモバイルにいれておきなさい、Dモバイルを翳せば入るはずじゃ」
言われた通りにしたら、その通り、Dモバイルがその珠を中にとりこんだ。
そしてそのまま目の前に光のゲートを作り出した。
そのゲートに見える光景は熱い火山。
これは、まさか……?

「ワシだって、元は北方の玄武。北へのゲートを開くぐらい難でもないわい」
「あぁ、ありがとう、それじゃぁ俺達は行くよ」
「あぁ、メラモン達にはワシの方から言っておこう。安心して行くが良い」
そう告げて俺達はそのゲートを潜って北方のスーツェーモンへと会いに行く。
けど、今度は凄く暑そうだなぁ……。

そんな要達を見送りながらシェンウーモンは後ろに控える影に向き直っていた。
あの赤い盾と弩弓を持った赤い馬のデジモンに。

「さて、お前さんから見てあの子らはどうじゃったかな?」
「もう分かっておいでなのでしょう? だからデジコアを授けた」
「フォッフォッ、お前さんも成長したのぅ。して、これからどうするのじゃ?」
そう問われてその馬のデジモンは少し俯いていた。
考え込むというのとはまた別の感じに。

「インダラモン」
「なんであるか?」
「彼らの力を見るために部下を貸してくれた事感謝する」
「同じ馬として当然の事。ユニモンもケンタルモンも同じ気持ちのはずである」
そうか、と赤い馬は微笑した。
そして、シェンウーモンの方へと改めて向き直る。

「自然の霧を利用した戦い方、そして、自然に立ち向かう心。それだけで不満はない」
「そうか、では、行くのじゃな。スレイプモン」
「はい、久しぶりにお会いできて良かった、我が育ての父よ」
バシッと胸の前で拳と掌を合わせ一つお辞儀してスレイプモンは空を駆け抜けていった。
スレイプモン、聖騎士型。
そして、ロイヤルナイツの一人。
もっとも、要はまだロイヤルナイツというものが何かは知らないが……。



俺達が降り立った場所はまさに火山だった。
暑くてとてもじゃないが、こんな場所に留まっているのは無理だった。
ということで、俺は寝てないのも忘れてドルガモンと一緒に休める場所を探し始めた。

今は……AM03:27か。
まぁ、まだ婆ちゃんは寝てるかな。
今日土曜日だし、まぁ、何とかなるだろう。

と、そこへ巨大な鳥が舞い降りてきた。
それは四翼の翼を持つ赤い巨大な鳥……。
そして、その体の周りにはシェンウーモンのあの木の実に似た珠が浮いていた。
こいつが、スーツェーモン……。

「なぁに、心配するでないわい、シェンウーモンから話は聞いておるわ」
「あ、それなら話は早いや」
この分ならもしかしたらすぐにでも東か西に行けるかもしれない、そう期待してみる。
ドルガモンも暑くてグデーっとしている。
毛皮暑そうだもんな……。

「なら早いところ……」
「ホゥ、早速と我が試練を希望するとはやる気があって良い」
へ? 試練??
アハハ、暑くて耳がいかれたかな。
このくそ暑いのに試練とか聞こえたんだけど。

シェンウーモンから聞いてるならもうそのまま素通りしたっていいじゃない!
あぁ、ダメだ。暑くて頭のネジもいってる……
ドルガモンはドルガモンで、あぁ、やっぱりね、みたいな顔してるし……。

それ以前にシェンウーモンの情報伝達早すぎるという疑問はなかった。
なんかもう考える余裕ないほどに暑い!

「何、我が試練は簡単だ。というよりも、手の込んだ試練しようにも働き手がいなくてな」
あぁ〜きっとこっちもシェンウーモンのとこみたいに暑い暑い言ってぐだぐだしてるんだな。
まぁ、あの霧の森とこの火山じゃ180゜の違いあるよな。
俺は森のが涼しくて良かった!

「手の込んだ罠も仕掛けられなかったからな……」
「そっかぁ、そりゃ残念」
冗談です、凄く嬉しいです。はい。
罠とか何かもうマグマが噴射するとかそんなきそうだもんね。
そんな暑そうなの嫌だし、俺。

なのに、ドルガモンと来れば目を見開いて口をあんぐりさせてるし。
何があったんだ、ドルガモン…!

「我が直々に相手して、実力を見てやろう」
…………?
あ、アレ何今の、とうとう耳が凄くいかれちゃった?
いや、あの冗談、ですよね?

スーツェーモンが直々に相手するとか、死ねる!
というか、もう死ぬ!
え、いや、だって四方を守る神獣ですよ?!

「えぇと、すみません、もう一度……」
「我が直々に相手して、実力を見てやろう、と言っておるのだよ」
その目に宿る無邪気そうな光はなんですか?
あと、嘴っぽいのの端っこが少しつりあがった気がするのは気のせいですか?
それと、後ろのマグマが水柱みたいの立ててるんですが、ただものじゃありませんよね?
それら複合して……アンタ楽しんでるでしょ!?

ドルガモンはもしかしてこの事…!
と思って振り返る。

「うん、スーツェーモン様は凄く試練好きって事で通ってたからねぇ……」
凄く遠い目で視線逸らされた!
そして、試練好きってそれもしかして他のデジモンにも無意味に出してるんじゃ…!
なんというとんでもない朱雀だよ!

あぁ、もう暑いし、ツッコミ所満載だしで疲れた……。
涼しい場所提供してください……

「む、我が試練の邪魔をしようという無粋なものが現れたようだ……」
全力でした舌打ちが聞こえてきたのはきっと気のせいだろう。
とりあえず、俺はその無粋なものにナイスという言葉を送りたくてたまらなかった。
勿論、心の中では万歳!

それがたとえ敵でも今の俺にとっては天使様だぜ!
とか言ってたら後ろの方の岩が吹っ飛ぶ音が聞こえた。

「ほぅ、ナイトモン風情が我が怒りを買ったというのだな……?」
先ほどよりも巨大なマグマの塊が柱のように沸き起こった。
アレで本気じゃなかったとか余計に恐ろしいわ!
じゃなかった、これ凄いを通り越して、恐ろしいな……。

「紅焔――!!!」
その後の事は一瞬だった。
炎が噴き上がったかと思えばその次の瞬間にはその炎もなく。
そして、目の前に残っていたのはただの空虚な時間だけ……。
…………。

「さぁ、これで試練を始められるな」
と凄くにこやかにスーツェーモン様仰ってるんですけど……。
そして、その言動に先ほどの空間とスーツェーモン様とを比べてみる。

……結論は出た。
無理!
罠がないとかアレ嘘じゃん!
あの言葉自体が罠だよ!

「むぅ、試練を開始しようかと思ったが……」
そういうスーツェーモンの視線はその背後に向かっていた。
その先にいるのは真紅のマントに槍、盾を装備した騎士のようなデジモンだった。
ドルガモンはロイヤルナイツだ……と呟くなり身構えていた。
ロイヤルナイツ……直訳だと王家の騎士といったところか?
それが複数形なんだから、王家の騎士達か……。
騎士達……聖騎士達?
ジジモンの言葉が蘇る。

「何、そう身構える必要はない。このデュークモン、少し見極める必要があるのだ」
「そうだな、カナメ、お前達は心配する必要はない。邪魔してきたら我が焔で焼き尽くす」
「スーツェーモン殿もそう身構える事なく、それに……」
キッとデュークモンは山のふもとを見やっていた。
その先には大量のナイトモン達がいた。
もう軍隊級の数だな……。
けど、スーツェーモンなら多分、全て片付けるのに3分とかけないだろうが……。

「必要とあらば、アレを片付けて来るが……?」
とデュークモンは挑戦的な視線でスーツェーモンを見ていた。
勿論スーツェーモンの実力を知らないわけでもないだろう。
そんな事でデュークモンの力の誇示になるとは思っていないだろう。
もしかして、と俺は思う。

「ふん、良かろう。カナメ」
「俺達でアレ片付けろって事か」
「話が早いな。見事討ち果たせれば力を認めてやろう」
スーツェーモンとやるよりかはぜんぜんいいけど……。
それでもあの数相手じゃ少しきついような気もするが。
まぁ、この地形利用すればまだいいのかな。
走り出しながら少し考える。

「ドルガモン……」
「何? カナメ」
「攻撃くらわないだけなら飛んで攻撃してりゃ良いよな」
ドルガモンが何か謎の沈黙で訴えかけてきていた。
そんな事していいんですか、主人公が、と言わんばかりだ。
どうやらドルガモン的には完全却下らしい。
まぁ、俺もずっとそうするつもりもないが。
あの数相手に上からチマチマと鉄球じゃいつ終わるか知れないしな。

「いいか、ドルガモン。まずはあの防御の高そうな鎧の防御力をいかに少なく攻撃するかだ」
「え? 力で押せばいいんじゃないの?」
「あの見るからに硬い鎧じゃそれあんまり効果ねぇと思う……」
それに鉄に鉄ぶつけるんだからやっぱり物を言うのは速度と力だが、それだけじゃ足りない。
速度と力も重要だが、武器があってはそんなものいくらでも緩められる。
と来れば、第一課題は防御をさせない事。
もしくは、防御の意味をなくす。

「いいか、ドルガモン。今回の作戦はこうだ……」
作戦会議は始まった。
会議というか、俺の考えた作戦を伝えるだけだが。
この地形、ドルガモンの飛行能力、ドルガモンの攻撃方法、それらを考えて立てた作戦だ。

ナイトモン 完全体 Da種 必殺技ベルセルクソード 戦士型
今更遅いんだよ、今回は……。
ん? 完全体?

ドルガモン 成熟期 Da種 必殺技パワーメタル 獣竜型
なんかある意味ナイスタイミングだな。
けど、どうやら成長期から成熟期って順番らしいな……。
あれ、それじゃぁ完全体っていうのはその次?
うぅん、まぁいいや、後で聞いてみよう。

「行くぞ、ドルガモン」
「オッケー」
一通りの準備を追えドルガモンは空高くへと飛び上がる。
落下のエネルギーを最大にするためにはなるべく高く飛ぶ必要がある。
さぁ、戦闘開始だ。

これに勝てればこの火山ともきっとおさらばできる。
と来れば勝つしかない!
いや、勝つ!
謎の気迫が俺にはあった。

星堕ちる迄 第参話 終